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弁護士 丹澤 友佑(函館弁護士会所属)
自己破産手続きについて、「破産」という言葉は知ってはいるけれども、破産手続きをすることについてのデメリットに関して、正確でないイメージや知識をもってらっしゃる方が多くいます。
デメリットに関して誤解してしまっていることで、破産手続きをした方が適切な事案であっても、破産手続きを避けてしまって更に借金が増えるなどよくない結果を招いてしまうこともあります。
そのような破産のいくつかの誤解について解説します。
破産をした場合に、住民票や戸籍に破産をした事実が記載されて、一生消えないのではないか?と心配されてらっしゃる方が多くいらっしゃいますが、破産をしてもその事実が住民票や戸籍に記載されることはありません。
破産手続の開始決定や免責決定については、官報という公の新聞のようなものには掲載されますが、一般の方が日常的に見るようなものではありません。
官報は現在インターネットでも閲覧はできますが、官報には全国の裁判所の破産や民事再生についての決定などが載っておりページ数も多いため、官報を直接見たということをきっかけに、周りの人や職場の人に破産の事実が知られるということは考えにくいと言えます。
もっとも、函館を含む道南エリアの場合は、官報の情報を転載している経済情報誌が存在することから、同誌を購読して目を通している会社などであればそこから知られてしまうということはありえます。
自己破産をした場合に、職場に知られて仕事をクビ(解雇)になってしまうのではないかとご心配になられる方もいらっしゃいます。
そもそも、会社から貸付を受けている場合などは会社を破産の債権者にあげる必要があることから会社に破産の事実が知られますが、そうでない場合は会社に破産の事実を知られてしまうという場面は限定的です。
また、一般論として日本の解雇に関する法制度は、会社側に厳しく制限がされており、労働者の側が自己破産をしただけで会社側が一方的に解雇するのは極めて難しいと言えます。
ただし、破産をした場合に資格の制限がかかってしまう保険募集人や警備員等として会社に雇用されている場合、その業務に従事することができなくなってしまうことから、配置転換等が困難な場合には解雇が認められてしまう余地がないわけではありません。
なお、このような特殊なケースでないにもかかわらず、会社側が一方的に破産したことだけを理由に解雇をしてきた場合には不当解雇に当たる可能性があります。
破産手続の中で、同時廃止ではない、破産管財人が選任される手続については、手続きが終結するまで、破産者の引っ越しについては裁判所の許可が必要になります(破産法37条1項)。これは手続中に破産管財人の調査が困難となったりすること等を防ぐための規定です。
ただし、引っ越しについては基本的に許可されないということはあまりないようですし、許可の申請自体も引っ越し前に破産者の代理人から裁判所と破産管財人に届出する形になりますので、破産者自身の手続き的な負担はあまりありません。
逆に許可を得ないまま引っ越ししてしまうと、それ自体が免責不許可事由となってしまうので注意が必要です。
もっとも、仮に事前の許可を得ないままに、何か急な事情があって引っ越しを余儀なくされた場合であっても、早めに管財人に引っ越しの事実を報告して同意を得られればそれ以上問題とならないことが多いようです。
また、数日程度の旅行であれば、そもそも居住地を離れることにはならないため許可も必要はありません。
他方で、破産管財人が選任されない同時廃止手続きの場合には、上記の引っ越しの制限はそもそも及ばないので裁判所から許可を得る必要まではありません。
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