函館の弁護士による債務整理の方法・種類の解説

任意整理とは、弁護士や司法書士を通じて貸金業者やクレジットカード会社と利息のカットや分割回数について個別に交渉した上で和解をして、その和解に基づいて支払いを続けて借金を完済する手続きです。

借入時の利息が利息制限法の上限金利を超えていた場合には、利息制限法に基づいて引き直し計算をすることで借金の支払総額を減額できる場合もあります。

比較的新しいクレジットカードや車のローン、住宅ローンなどの利息制限法で定められた利率（１５％～２０％）より低い金利の借金については減額することはできません。

もっとも、支払元金の総額が変わらなくても将来の利息のカットや分割期間の長期化を通じて、毎月の支払額の負担が軽減されることが一般的です。

任意整理のメリットとしては、住宅ローンや自動車ローン、親族や友人からの借入などの一部の債権者を除外して借金を整理することが可能である点がまず挙げられます。

裁判所に申立をする破産手続や個人再生手続の場合には全ての債権者を対象とする必要があるため、一部の債権者を除外することが原則としてできません。

任意整理の場合は例えば自動車ローンを整理の対象から除外して、自動車ローンをこれまで通り支払い続けることで自動車の引き揚げを防いだりすることができます。

任意整理は自己破産や個人再生とは異なり裁判所を利用することなく借金を整理する方法であることから裁判所に納める費用（予納金）はかかりませんし、とりわけ任意整理の対象にする債権者の数が少ない場合には、弁護士費用の着手金が自己破産や個人再生を依頼する場合に比較して安く収まる場合が多い傾向があります。

もっとも、和解後の支払いを弁護士事務所や司法書士事務所が代行することまで含まれている契約の場合、毎月の手数料の支払が発生するため総額の弁護士費用が高額になってしまうこともあるため注意が必要です。

また、自己破産の場合には資格や職業に制限を受けることがあったのに対して、任意整理の場合には官報に掲載されることもありませんし、資格制限などにも当然かからないということがメリットと言えます。

任意整理のデメリットとしては、個人再生を選択した場合と比較して、借金の減額の程度が低くなることが一般的である点です。

また、個人再生の場合は一定の要件を満たす場合には、債権者の一部が反対していたりしても、裁判所の認可決定が得られれば借金を減額してもらえますが、任意整理の場合には強制力がないため、債権者が交渉に応じてくれない場合には債務者の側が譲歩するか場合によっては個人再生や自己破産に方針を変更することも検討する必要があります。

特に、借り入れの期間が短い場合や、既に判決や支払督促といった債務名義が取得されてしまっている場合には、返済期間について４年や５年といった長期間の分割に応じてもらうことが難しい場合が多いと言えます。

返済期間が３年以内になってしまった場合など、結果として月々の返済額の負担が想定していたよりも大きくなってしまい、一度任意整理をしたものの途中で払えなくなってしまい、結局再度破産手続を選択せざるを得なくなるケースもありますので、任意整理を選択する場合には家計の把握や収入の見込みの安定などが前提になります。

その他に、任意整理の場合だけのデメリットではありませんが、信用情報機関に登録されて一定期間新たな借り入れをしたり、クレジットカードなどを作ったりすることができないことにも注意が必要です。