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弁護士 丹澤 友佑(函館弁護士会所属)
故人の遺言などでご自分の遺留分が侵害されていることがわかったとき、では具体的に何をどのようにすればいいのか、以下では、遺留分侵害額請求の具体的な方法について解説します。
ご自身の遺留分を侵害されていると認識した際に、期限が来る前に遺留分侵害額請求を行うことになります。
民法では、遺留分侵害額請求をする方法の形式について、特段定められているわけではありません。したがって、口頭であったり、メールやLINEで請求した場合であっても法律上は有効と考えられます。
もっとも、民法で遺留分侵害額請求の方法が制限されていないとはいっても、時効の期間との関係や、言った言わないといった争いを避けるためには、通常は配達証明付きの内容証明郵便で遺留分減殺請求を行うことがほとんどです。
配達証明によって、相手方に届いた日時が証明されるとともに、内容証明によって文書に記載されたとおりの内容で請求をしたということが証明されることとなり、言った言わないや届いた届いていないといった争いを避けることができます。
まずは、配達証明付きの内容証明郵便で遺留分侵害額請求を通知し、その後は相手との間で遺留分侵害額の具体的な金額や支払い方法などについて話し合いをすることになります。
配達証明付きの内容証明郵便で遺留分侵害額請求を通知し、相手方と話し合いをした結果、協議が整った場合、遺留分侵害額の支払期限などを約束してもらう書面を取り交わすなどして、解決をする形になります。
もっとも、通知後に相手方と話し合いを行ったものの、相手が全く応じない場合や、協議が整わなかったり、条件が折り合わずに解決できない場合も多いと思います。
その場合、まずは管轄の家庭裁判所に調停を申し立てすることになります。
これは、遺留分侵害額の請求については調停前置主義とされており、原則として調停を先に申し立てしないと、訴訟を提起することができないためです。
なお、管轄の家庭裁判所は原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所になりますので、相手方が函館市や北斗市などにお住いの場合は函館家庭裁判所が管轄となります。
調停については、家庭裁判所の調停委員が間に入って当事者のお話を聞き、お互いの合意による解決を模索する話し合いの手続きになります。
調停で合意ができた場合、調停調書が作成され調停は終結します。多くのケースでは約束通りに支払いがされますが、支払義務者が調停条項通りに支払いをしない場合には、差し押さえなどの強制執行をすることが可能です。
調停でも合意ができなかった場合は、調停は不成立となり終結します。
その後は、家庭裁判所ではなく、管轄の地方裁判所(訴額が140万円以下であれば簡易裁判所)に対して遺留分侵害額を請求する訴訟を提起することになります。
遺産分割の調停が不成立となった場合には、審判手続きへ別途の申立を要せずに移行するのと違って、別途裁判所へ訴状や証拠等の提出が必要となるのに注意が必要です。
なお、管轄の地方裁判所については、相手方(被告)の住所地だけではなく、原告(遺留分侵害額請求を行う人)の住所地や、亡くなった人の住所地に裁判所が管轄を有します。
そのため、相手方(被告)が遠方に住んでいる場合であっても、原告が函館市に居住している場合や亡くなった人の最後の住所が函館市内であった場合などは、函館地方裁判所へ遺留分侵害額請求の訴訟を提起することができます。
訴訟を提起した場合、一般的には途中の段階で裁判官が当事者に和解案を提示することが多いです。和解で合意が成立した場合には、和解調書が作成されて事件は終結します。
途中で和解がなされず、訴訟において遺留分侵害額の立証ができた場合、最終的には裁判所が支払いを命じる判決を言い渡します。
判決に相手が従わず支払いをしない場合にも、判決に基づいて強制執行をすることが可能です。
なお、判決に不服がある場合には、高等裁判所への控訴をすることもできます。
内容証明郵便の作成や、その後の協議、訴訟提起等、遺留分侵害額の請求には専門的な知識が必要となりますので、ご自身が遺留分を侵害されているとわかったときには、まずは弁護士に相談した方がよいでしょう。
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