〒040-0004 北海道函館市杉並町8-20 オカダビル1階
(函館市電杉並町電停より徒歩2分・杉並町バス停より徒歩1分/駐車場:あり)
弁護士 丹澤 友佑(函館弁護士会所属)
遺留分については被相続人の意思を制限する制度ですので、遺留分が認められる相続人の範囲について、全ての法定相続人に遺留分が認められるわけではありません。
以下では、遺留分が認められる相続人の範囲について解説します。
遺留分が認められる相続人のことを、遺留分権利者といいます。
民法では遺留分権利者については、以下の範囲の相続人が該当するとされています。
①配偶者
被相続人(亡くなった方)に配偶者(妻や夫)がいる場合は遺留分が認められます。
なお、配偶者については法律上の配偶者に限られ、内縁の夫や内縁の妻には遺留分は認められません。
②子や孫などの直系卑属(直系の子孫)
被相続人の子どもについても遺留分が認められます。なお、子どもには養子も含まれます。
子が既に亡くなっている場合には、代襲相続といって孫が代わりにその子(孫から見て親)の相続分を承継するため、その孫に遺留分が認められます。
代襲相続する孫が複数いる場合であってもその相続分の合計は、本来の相続人の相続分となりますので、被相続人の他の子と、子を代襲相続した孫では割合が異なることになります。
例えば、被相続人に子が二人いて、片方の子が既に亡くなってその子を孫2人が代襲相続する場合ですと、子の遺留分は1/4、2人いる孫の遺留分はそれぞれ1/8ずつとなります。
他方で、税金対策等のために孫と養子縁組している場合などは、代襲相続の場合とは違ってその孫は子として扱われます。
③親や祖父母などの直系尊属(直系の祖先)
被相続人に子どもや孫がいない場合、被相続人の親が法定相続人となりますが、このような親にも遺留分が認められます。親が既に亡くなっているけれども祖父母が存命という場合にはこのような祖父母にも遺留分が認められます。
そして、重要なのは兄弟姉妹については遺留分が認められないという点です。
兄弟姉妹に遺留分が認められないことから、兄弟姉妹が既に亡くなっていておいめいが法定相続人として代襲相続する場合でも、同様においめいには遺留分は認められません。
民法で定められた遺留分の割合を表にまとめると以下のようになります。
相続人 | 全員の遺留分 | 配偶者 | 子(孫) | 親(祖父母) |
配偶者のみ | 1/2 | 1/2 | ||
子のみ | 1/2 | 1/2 | ||
配偶者と子 | 1/2 | 1/4 | 1/4 | |
配偶者と親 | 1/2 | 2/6 | 1/6 | |
親のみ | 1/3 | 1/3 |
法定相続人として、配偶者と兄弟姉妹のみが存在するというケースはありえますが、その場合には遺留分の計算上は上記の「配偶者のみ」に当てはまることとなり、兄弟姉妹には遺留分は認められないことになります。
また、被相続人に配偶者や子がおらず、父母や祖父母が既に亡くなっている場合には兄弟姉妹のみが法定相続人となりますが、兄弟姉妹には遺留分が認められないため、上記の表のいずれにも当てはまらず遺留分はないという結果になります。
なお、子が複数・親が複数といった場合には、均等割りになります。
例えば、子が2人の場合で他に遺留分権利者がいない場合、1/2(遺産に占める遺留分の割合)÷2人=1人あたり1/4が遺留分割合となります。
また、子が2人いるだけでなく配偶者もいる場合ですと、配偶者の遺留分は1/2(遺産に占める遺留分の割合)×1/2(配偶者の遺留分割合)=1/4となり、子の遺留分は子1人あたり1/2×1/2(子の遺留分割合)÷2人=1/8となります。
〒040-0004
北海道函館市杉並町8-20
オカダビル1階
函館市電杉並町電停より徒歩2分
杉並町バス停より徒歩1分
駐車場:あり
9:00~17:30
土曜・日曜・祝日
函館市内(旧函館市内含む)全域・北斗市・その他の道南全域(七飯町・森町・八雲町・木古内町・知内町・福島町・松前町・厚沢部町・江差町など)